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会社売却の税金と手取り|1億円で売ったらいくら残るか

会社を1億円で売ったら、手元にいくら残るのか。株式譲渡なら税金は約2割で、他の所得より優遇されています。さらに役員退職金を組み合わせると、税負担を抑えられることがあります。計算の仕組みと、手取りを増やす考え方を説明します。

株式会社Tsugiya M&A仲介の実務より | 更新 2026-09-20
この記事の要点
  1. 株式譲渡の税金は譲渡益の20.315%。1億円の売却で手取り約7,770万円
  2. 役員退職金と組み合わせると税負担が下がることがある
  3. 納税は売却翌年の3月。手取りの一部を残しておく

株式譲渡の税金:譲渡益に20.315%

個人株主が株式を譲渡した場合、譲渡益 = 譲渡価格 − 取得費 − 譲渡費用(仲介手数料など)に対して、所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%、合計20.315%の分離課税です。給与などの他の所得と合算されないため、金額が大きくても税率は変わりません。

取得費は、会社設立時に払い込んだ資本金(自分の出資分)や、株式を買い取った金額です。分からない場合は譲渡価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」を使えます。

手取りの計算例

100,000譲渡価格-5,000仲介手数料-17,268税金 20.315%77,732手取り単位:千円
1億円で売却したときの手取り(税金は譲渡益=価格−取得費1,000万円−手数料に対して計算)
項目1億円で売却3億円で売却
譲渡価格100,000300,000
− 取得費(資本金)−10,000−10,000
− 仲介手数料(例)−5,000−15,000
譲渡益85,000275,000
税金(20.315%)−17,268−55,866
手取り77,732229,134

単位は千円。1億円の売却で手取り約7,770万円、3億円で約2億2,900万円です。

役員退職金との組み合わせ

売却時に会社から役員退職金を受け取り、その分だけ譲渡価格を下げる方法があります。退職金は「退職所得控除」と「2分の1課税」で税負担が軽く、勤続30年なら1,500万円まで非課税、超えた部分も半分にしてから課税されます。

買い手にとっても、退職金は会社の損金になり法人税が減るため、受け入れられやすい。譲渡価格1億円のうち3,000万円を退職金にすると、全体の手取りが数百万円増えるケースは珍しくありません。ただし退職金の額は「功績倍率」などで税務上の妥当性が求められ、過大だと損金にならないため、税理士との設計が必要です。

実務でよくあるケース退職金の組み合わせは、最終契約の直前に思いつくと間に合いません。基本合意の段階で「退職金◯円+株式譲渡価格◯円」の内訳を決めておくのが実務の流れです。
写真はイメージです

注意点

会社が保有する不動産の割合が高いと、株式譲渡でも土地の含み益に対する課税の扱いが変わることがあります(土地保有特定会社)。また、譲渡した年の確定申告が必要で、売却の翌年3月に納税します。手取りの一部を納税資金として残しておいてください。同族株主間の売買や、相場より著しく低い価格での譲渡は贈与とみなされることがあります。

税金は個別事情で変わります。本記事は一般的な仕組みの説明であり、必ず税理士にご確認ください。

まず、いくらで売れるかを知る

手取りの出発点は譲渡価格です。企業価値シミュレーターで価格の目安を出せば、この記事の計算をそのまま当てはめて手取りが試算できます。退職金との組み合わせや事業譲渡との比較は、ご相談時に税理士と連携して個別に設計します。

よくある質問

法人が株主の場合の税金は?

法人株主の譲渡益は法人税の対象(実効税率約30%)になります。持株会社を通じて売却する場合は注意が必要です。

売却代金を分割で受け取る場合、税金はいつかかりますか?

原則として譲渡した年に全額が課税されます。分割払いでも納税は先に来ることがあるため、資金計画に注意してください。

相続で取得した株式の取得費は?

被相続人(先代)の取得費を引き継ぎます。不明なら概算取得費(譲渡価格の5%)を使います。相続税を払った場合は、一定期間内の売却で取得費に加算できる特例があります。

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