- 3年前:評価額を知り、属人性の解消と顧客分散に着手する
- 2年前:借入返済・資産整理・正常収益力の根拠づくり
- 1年前:株主・書類・スキームを整え、仲介会社を選ぶ
3年前:価格を決める要因に手を付ける
最初にやるべきは、現状の評価額を知ることです。企業価値シミュレーターで3手法のレンジと、どの要因で価格が下がっているかを確認します。ここで見えた課題が、3年計画の中身になります。
最も時間がかかるのが「属人性の解消」です。社長が握っている営業・技術・取引先との関係を幹部に移し、社長不在でも回る体制を作ります。これは営業権年数を2年から3〜4年に延ばす取り組みで、利益3,000万円の会社なら3,000〜6,000万円の価格差になります。
あわせて、上位顧客への依存を下げる営業、継続契約への切り替え、不採算事業の整理も始めます。
2年前:財務を整える
借入を減らし、現預金を増やす。ネットデットはそのまま価格から引かれるので、返済した分だけ手取りが増えます。役員借入金の整理、遊休資産の売却、不良在庫の処分もこの時期です。
役員報酬や保険料など、正常収益力の調整項目を把握し、根拠資料(同規模企業の報酬水準など)を揃えます。決算書の見え方を良くするために、無理な節税をやめて利益を出す方針に切り替えるのもこの時期です。売却の直前2〜3期の決算が評価の基礎になります。
1年前:書類と体制を整備する
買い手のデューデリジェンスで求められる書類を先に整えます。定款、株主名簿、登記事項証明書、3期分の決算書と申告書、勘定科目内訳明細書、取引先との契約書、賃貸借契約書、従業員名簿と雇用契約、許認可の証明、固定資産台帳、借入金一覧。
株主が分散している場合は、この時期までに集約します。名義株や所在不明株主があると譲渡手続きが止まるため、早めの整理が必要です。
この段階で仲介会社を選び、企業概要書(IM)の作成に入ります。
売却活動:6か月〜1年
ノンネームシート(匿名の概要)で買い手候補に打診し、関心を示した先と秘密保持契約を結んで企業概要書を開示、トップ面談、意向表明、基本合意、デューデリジェンス、最終契約という流れです。通常6か月から1年かかります。
複数の買い手候補が同時に検討している状態を作れると、価格は上がります。逆に1社だけと交渉すると、価格も条件も相手のペースになります。
今日できること
準備の第一歩は数字を知ることです。売るかどうか決めていなくても、現状の評価額と課題が分かれば、承継の選択肢(売却・親族内承継・従業員承継・廃業)を比較できます。Tsugiyaでは、3〜5年先の承継準備段階からの無料相談をお受けしています。売り急がせることはありません。
よくある質問
準備なしで今すぐ売ることはできますか?
可能ですが、属人性や財務の課題がそのまま価格に反映されます。急ぐ事情がある場合は、まず現状の評価額を確認したうえで、短期間でできる調整(役員報酬の根拠整理、書類整備)に絞って進めます。
従業員に売却の準備を知られたくありません。
売却活動は秘密保持が原則で、従業員への開示は最終契約の前後に行うのが一般的です。準備段階の取り組み(権限委譲、財務改善)は通常の経営改善として進められます。
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